高品質な移動式木造住宅・ムービングハウス
『SMART MODULO』なら、
独自のノウハウで、販売・生産・協働を行う
ビジネスパートナーを全面バックアップ

いつでもどこでも建てられる移動式木造住宅・ムービングハウス『SMART MODULO』は、日本全国の自治体や企業から注目されています。これまで各地で発生した自然災害では、応急仮設住宅として利用されてきた実績が評価され、導入を検討する自治体が続出。
コロナ禍でも隔離施設として有効に使われました。これからのムービングハウスの展開や、今後の展開についてお話を伺いました。

ムービングハウスの『SMART MODULO』魅力について教えてください。

ムービングハウス『SMART MODULO』は木造の「動く家」です。移動できる木造建造物と考えていただくのが一番近いです。海上コンテナの規格サイズと同じ大きさなので、船舶やトレーラーで運べます。性能については、完全外断熱で気密・断熱・遮音とあらゆる住宅や施設に必要な機能がすべて揃っています。

最大の魅力は、災害時の仮設住宅として利用できること。仮設住宅を供給する団体はいくつかありますが、当協会のあつかうムービングハウスは最短で供給できるという利点を持っています。そのため一刻を争う有事に迅速に対応できる。また、過去の仮設住宅の問題、たとえばプライバシーの確保といったものをクリアできています。

しかも、これまでの仮設住宅の建物は、使い終わって撤去されたら、その建材はすべて捨てられていました。ところが、ムービングハウスは移動して別の用途でそのまま利用できるところがこれまでの仮設住宅とは一線を画しています。

災害時の仮設住宅として社会的ニーズは広がってきているのですか？

かなり広がってきています。特に顕著なのが、内閣府主催の「自治体災害対策全国会議」という会です。この会議では、全国にある自治体の職員が集まって、自治体の災害応急対策や自然災害に対する取り組みについて共有し、予想される災害に備えようというものです。ここで、今までのムービングハウスの実績と優位性を紹介させていただきました。どこの自治体でもかなり興味を持っていただいたようです。

災害時に限らず、平常時でもムービングハウスを使って、公民館やレストラン、グランピング施設といった利用ができて、有事に備えて街の中に溶け込ませることができる。それもあって、ムービングハウス導入を積極的に考える自治体が増えてきています。

ムービングハウスの具体的な利用例はありますか？

最近、茨城県でムービングハウスを利用した新型コロナウイルスの感染症隔離施設を撤去しました。今回のコロナでは、いろいろな自治体が一時隔離施設を作りました。その中で茨城県ではムービングハウスを採用していただき、高い評価を受けました。評価の理由は、200床のベッドを設置できる医療施設を１ヶ月で作ったこと。そして、その施設の撤去も１ヶ月で済んだ点にあります。必要なときに必要なだけ用意して、終わればすぐに撤去できる。柔軟な対応ができることが今までにないものとして認められたのです。

しかも、ムービングハウスは撤去する場合でも壊すのではなく、移動して別のところで用途を変えて使えます。その点が優れているということで、茨城県の知事会議で議案として取り上げられて感染症隔離施設として採用されたわけです。

そのときにコロナの軽症向け・中等症・重症にわけて建てました。ムービングハウスは換気機能が十分に行き届いているので、換気量を調整できる機能が備わっています。その上、機密性が高いこともあるので、コロナの隔離施設としては理想的。利用した患者さんに負担をかけずに済んだということで喜ばれました。

移動中に室内が破損するといったことはありませんか？

強度に関しては、過去に起きた最大級の地震を想定した強度計算と破壊実験を繰り返して問題がないところまで作り込んでいます。また、窓が３層ガラスになっているので、丈夫であると同時に断熱性と機密性が高いのが特徴です。「開口部」と呼ばれる窓やドアなどは、どんなに断熱強化しても弱い部分。そこを強化するために３層ガラスを使っています。ムービングハウスの３層ガラスの窓は、北海道の寒い地域でも、一般家庭向けの小さなストーブ1台で常時23〜24℃は維持できる性能があります。

移動できる家というと木造ではなくコンテナのように金属のイメージがありますが、あえて木造にしている理由があるのですか？

木造は温かみがあるので、住みやすさを求めた結果です。強度についても、鉄のコンテナは一見強そうに見えるけれど、実際にはひとつでも欠損すると、そこからすぐに崩れていってしまうことが多い。その点、木造は材質的にしなやかで粘りがあるので、地震などの衝撃があっても耐性が高いのです。その点で木造を採用しています。

また、元々ムービングハウスを開発したのが、アーキビジョン21という会社です。そもそもその会社が木造の大型建築物に特化して建造していたことからもムービングハウスは木造になりました。

アーキビジョン21の代表が、日本の木造住宅は平均して20年で取り壊されているというのはおかしいのではないか、という疑問を持ったのが始まりです。木造住宅を移動できるようにリメイクしたら用途が広がるのではないかという発想からムービングハウスは生まれました。

ビジネスパートナーの形態に「販売パートナー」「生産パートナー」「協働パートナー」とありますが、どのパートナーを主に九州の企業に提案していきたいと考えていますか？

今回はビジネスパートナー（加盟店）の募集です。特に、「生産パートナー」を増やしていきたいという希望があります。九州にはまだ１ヶ所しかありませんので。工務店さんだったり住宅メーカーの工場であったりすれば楽に取り組んでいただけます。

ところが、面白いことに実際当協会で一緒に動いてくださっている生産パートナーさんは、特に建築にたずさわっていない会社さんが多いのです。家具を作る工場や木工品を製造する企業では、我々の技術は導入しやすいからです。実際、そういった業種の会社で具体的に生産パートナーを検討いただいている会社さんがいくつもあります。

これからムービングハウスの売上は伸びそうですか？

ムービングハウスの最小ユニットである『Smart Modulo』に関していえば、販売をはじめた2015年からはずっと右肩上がりで成長しています。具体的な売上の推移についていえば、2020年度から2021年度にかけて1.7倍、2021年度から2022年度にかけて2倍以上の伸びを見せています。

2015年から2023年2月現在までで、トータル1,238ユニットを販売し、売上が90億円を超えました。今後、より多くの自治体と協定締結して認知が広がっていけば、さらに売上が伸びていく可能性は十分にあります。

ビジネスパートナーとして相性の良い業界はありますか？

やはり建築関係が合います。建材販売や木工の工場を所有している会社さんもいます。

ムービングハウスを使う側として、ホテルや宿泊業、観光業も適しています。実際ムービングハウスを使って建てたホテルはありますし、グランピング施設で利用される企業もいます。

「協働パートナー」として参画していただく場合は、ムービングハウスを運搬してもらう運送関係の会社であったり、融資をしてくれる金融関係であったり、リース会社であったりと広く建築にたずさわる業種から協力してくれるパートナーさんを募りたいと考えています。

こんな人に来てほしいというのはありますか？

九州地方では、宿泊業や建築現場をあつかう企業に来ていただけると嬉しいです。また、大きな建築現場の従業員宿舎をあつかっているような会社や大手企業と繋がりのある会社と仕事がしたいですね。実際、2022年には180名定員の従業員宿舎を供給したのですが、それに関わったのが、プラント施設を運営する会社さんが窓口になっていただきました。それ以外には、各種メーカーの従業員宿舎や病院の宿舎、工場や建築会社の従業員施設を供給している会社さんと一緒にやっていきたいです。

ムービングハウスの金額はどのくらいですか？

29平米の１Kで約720万円です。同じサイズの一般の建物と比べると割高に感じるかもしれません。月額換算すると、プレハブや仮設住宅と比べても２万円の差もありません。しかも、性能を考えると決して高くはないと思います。この金額は、あくまで最小ユニットの29平米での計算です。この単位では、面積が小さいところにトイレやお風呂、洗面、キッチンなどの設備が一揃え付属することになるから単価で考えるとどうしても高くなってしまいます。ムービングハウスは接続して積み上げれば大きな建物として使えるので、床面積を増やしていけば、坪単価はどんどん割安になっていきます。

移動式の応急仮設住宅は今後どのくらいの伸びが期待できますか？

全国の自治体が自然災害に意識を向けているので、これからかなり伸びていくと予想されます。東日本大地震や阪神大震災のような大規模な地震が起きた場合、数十万個のムービングハウスが必要になるでしょう。実際、東日本大地震のときには約5万個以上の仮設住宅を数年に渡って供給したといいます。我々も一気にそれほどの数を供給するのは難しいかもしれません。しかし、最近ではさまざまな自治体や企業がムービングハウスを仮設事務所や休憩所、研修施設という形で、備蓄として設置してくれるようになってきています。有事にはそれらを利用することで、かなりのボリュームをカバーできそうです。

初期費用はどのくらいかかりますか？

販売パートナーは初期100万円で年間6万円、生産パートナーは初期100万円で年間140万円、協働パートナーは初期30万円で年間30万円です。

販売パートナーになったらどういう営業の仕方をするのですか？

今まで一般の個人の方へ住宅を販売していた住宅メーカーさんが、販売パートナーになったとしたら、1年目・2年目は苦戦する可能性があります。というのも、住宅メーカーさんは、一般の住宅と同じように個人のお客様に営業をする発想が染み付いてしまっているからです。

ムービングハウスは大企業や自治体に必要とされる大型施設に向いているので、そういったところに営業に行く必要があります。先日もグランピング施設で10棟まとめて設置して欲しいという注文がありました。その意味では、大きな企業や自治体、行政機関にアプローチすることが重要になります。

今後、九州にはどのような展開をしていくのですか？

九州へは最近進出しはじめたところです。当協会の販売パートナーと協働パートナーは全国に合わせて53社あります。ところが、九州は長崎県大村市に生産・販売パートナーが１社だけです。その方が九州地方は災害が多いので、ぜひ大村市と協定締結してほしいということで積極的に動いてくれて、大村市と協定締結させていただきました。今後はストックヤードを作りながら、簡易宿泊所などを作って、ムービングハウスを備蓄しながら広げていきたいと思います。

ビジネスパートナーを検討している企業へのメッセージをお願いします。

私たちと一緒に建築の世界の考え方を変える一歩としてムービングハウスを広げていければと思っています。今後、自然災害に対してサポートするのに意識しているのは、弱者を先に助けるという発想を持つことです。過去に岡山県倉敷市や熊本をはじめとして、災害に遭われた５つの地域で仮設住宅の支援をしました。そのときに、ご高齢の方が「ムービングハウスがあって本当に良かった」と喜んでいらっしゃるところにたまたま立ち会えて本当に嬉しかった。ぜひそんな嬉しい声を一緒にたくさん集めていきたいと思います。